秤屋会長のひと言

ヒット商品の作り方・・・テレビ連続小説を見て vol.5

2019/03/29

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3月21日現在の、朝ドラは、10数年の雌伏の上に、あらたに、カップヌードルの開発にようやくめどが立ち、歓喜に包まれている一家の模様を伝えております。萬平氏の開発にかける執念たるや一点の妥協も許さないという点ではすべて一貫しております。萬平氏の辞書には妥協という文字とともに不可能という文字もないという有様で、かのナポレオン皇帝も脱帽するぐらいの精神力の持ち主である主人公をくまなく描写しております。

さて我々の方はまことに締まらない状況で、どこか間が抜けている。会社にいても肩身が狭い。今更裁判で争っても仕方ない。結審までは膨大な時間と費用がかかる。現に工場建設計画は基礎工事の段階を過ぎているのに中の設備は決まらないという状況。このまま手をこまねいていれば、敵方の思うつぼで、我々の知らざる裏で取引が始まっているのではないかという予想が経ちます。諦めかけた頃(事態が発覚して1週間もしたころでしょうか)ユーザーさんから連絡があり、至急打ち合わせしたいので来社してくれという。プラントメーカーAの担当者と一体どうなるのだとブツブツ言いながら、はるばる出かけました。

出かけたところ、いつも打合せするところではなく、応接間に通されました。ますます不審な状況になりました。そこへ、これまで打ち合わせしていた技術者さんに加え、それまでお目に掛かったこともないユーザーの重役一同が現れて席につかれ、いったい何事が始まるのかと緊張は一気に高まります。つるし上げにされるにしても、もとはと言えば、ユーザー側の技術者が不用意に仕様書を渡したからに他ならないはずで、弊社に一点の曇りなしのはず。

さて、ユーザー重役の開口一番は「今回は誠に申し訳なかった。わが社の手抜かりで仕様書を渡してしまったことによりこんな状況になり、さぞやご迷惑な事と思います。」「あれっ?」という状況です。たしかに、まさしくその通りであります。そこで、うなずいている己を発見して、自ら憮然とした形勢で臨みます。

(ここからU:ユーザー A:弊社とAプラントメーカー  B:今回先に特許を通したBプラントメーカー )
U  我々としても相当な資金を投じる工場建設で銀行融資を受け、また政府から、補助金も貰うつもりでいるのです。それが中途でこうなってしまっては大誤算です。このまま放置しておけば我が社の命運にも関わります。そこで我々も誠に申し訳ないがあなたたち(B)の対抗メーカーの方にも声を掛けざるをえませんでした。
A  それはもう我々も重々承知しております(と言わざるを得ません。)

この話からすると我々に因果を含めて承知させようという意図だなとわかります。プラントメーカーAさんも顔色が青ざめてきております。こちらものんびりと出願した責任があります。ところがどうでしょう。ここでとんでもない大逆転が始まります。

わざわざ呼びつけて、どうしようもない話に付き合わされて「なんだね、これは…。」と呆れる気持ちが読み取られてか、Uは何となくにんまりといった感じで、 「実はB社の役員を2~3日前に呼び出し、”もう時間がないから、現状の特許技術仕様での見積もりと納期について至急に提出してほしい”と呼び掛けたところ、なんと ” 実は特許を申請したものの、あれを作る技術はわが社にはありません " との返答。これにはUさんも呆れると同時に " いい加減しろ! " と思わず怒鳴りつけ激怒、これではUも大変な事態ということになります。 プラントメーカーB曰く、

B  いえ。今回のことでは大変なご迷惑をおかけしたことは重々わかっております。従いまして、御社に納入される機材に関しては一切不服は申し上げません。どうぞA社へ発注されてもかまいません。それでお許しください。

まだ、続きがあります。B「ただし、この案件以外の納入に関しては、阻止させてて頂くつもりです。」なるほど作れないまでも、対抗馬の活動を封じることはできるわけだから十分な効果は上げているわけです。一難去ってまた一難です。今後のAについてはお先真っ暗です。全国制覇できる技術が封じられた訳で、プラントメーカーAにとっては何の解決にもなりません。

この難局をいかに切り抜けたは次回に。

秤屋会長のひと言

会長プロフィール

早川静英

早川 静英
35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

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略歴

60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任

社長プロフィール

早川 亘
72年生まれのロスジェネ世代。南山大学法学部法律学科で法律学を専攻。

略歴

94年名古屋短資(現セントラル短資)入社。日銀直下の短期金融市場で90年代後半の金融危機を体験。
99年(株)守隨本社入社。
2014年同社専務取締役に就任。
2016年同社社長就任
営業から製造まで幅広く業務をこなす傍ら、語学力を活かして海外との交流を積極的に拡大するとともに、2011年のISO9001認証取得時にはQMS構築及び責任者を担当、2015年の指定製造事業者認定取得時には責任者を務め、自社の競争力強化に努めている。