秤屋会長のひと言

ユーモアは剣よりも強し(2)

アメリカの例



さすが、アングロサクソン系市民の多いアメリカは、ユーモアも豊富だが、名言にも事欠かない。ジェファーソン、フランクリン、リンカーン、ケネデイ,またイギリスではチャーチル氏等、超有名人については、書くまでもないことです。この人たちの名言は、幾世代もの間、間違いなく語り継がれていく不朽の価値を持って輝いております。
さて今回は、40代大統領であった、レナルド・レーガン氏のユーモアについてです。 あまりにも有名で、ご存知の方も多いかもしれません。とうじ、世界の通信社のネットワークで流され、一挙に、レーガン氏の盛名を決定的なものにしたユーモアです。



レーガン氏そのものは、出身としては3流の、西部劇役者としてハリウッドでデビユーし、またさえない、西部劇の脇役でしかなかったのです。しかし、俳優で目がでなかった代わりに、ハリウッドの俳優組合の委員長を務めてから、頭角を現し、政治の分野に転進し、カリフオルニア州の知事選に出馬当選するという経歴の持ち主であります。歴代の大統領はそれぞれ、アメリカにおけるエスタブリッシュメントに属するエリートが多いのですが、しがない西部劇の3流役者出身ということで、大統領選挙に出馬したときは、まさか彼が大統領にとマスコミは重視していなかったらしい。2回も、落選しております。3回目に当選したことは多分にサプライズだったと思います。

さてその彼が、ある時、全国周遊演説の途中、暴漢に襲われ、ピストルの標的にされました、護衛の一人が即死、負傷者もでる,当の本人は弾が左腕を貫通して、肺に達する重傷を負ってしまいました。ケネデイいらいの暗殺事件として有名です。余程の強運の持ち主なのか、結果、きわどく急所を外れていて命拾いをして暗殺を免れるのですが、病院に担ぎ込まれて、いざ、手術開始というところで発したジョークが見事はまりました。
銃弾を摘出する手術を担当する外科医が、大統領に、"大統領閣下!私XXXがこれより手術を執刀いたします"と極度の緊張の元、告げますと、苦しい息の中、"君の支持政党は民主党ではないだろうね?"と共和党の大統領が念を押しました。"はっ?"と医師が意味を悟ったときには周囲の雰囲気はがらりと変わり、打ちひしがれた緊張感は一気にとけ、和気藹々の雰囲気に溶け込みました。勿論、手術は成功です。医師がどう応えたかまでは伝わっておりませんが。
このことは、早速、通信社のネットワークに一斉に取り上げられ、全世界に流されました。私のような、日本の片田舎に住む人間までもが知ることになりました。
瀕死の重傷の最中にこのジョークは、レーガン氏を西部生まれのタフガイとして、もっとも、アメリカ人が歓迎し、崇拝するタイプの人間だということで一挙に国民の共感を得ることになりました。この後、ご存知のように、この大統領は、果敢に、ソ連に対して、"スペースウオー"戦略を打ち出しました。まるで、ハリウッドSF映画の題名みたいな戦略です!ソ連もこれに対抗しし、軍拡競争となりました。しかし軍拡競争に耐え切れなくなった、ソ連は崩壊の運命に陥りました。その元を作った大統領としての歴史に偉大な名を刻んだ一人となりました。ソ連崩壊により、東ヨーロッパ、中東に民主主義を一挙に普及させた功績は大変なものがあります。それにしてもレーガン氏を有名にしたのは瀕死の病床での、このユーモア精神ではないでしょうか?




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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