秤屋会長のひと言

メリットを売る

ビジネスというものは、お互いにメリットを交換し合うことで成り立っておりますことは今更ながらの常識であります。
時として、営業会議などで、この点を忘れた論議がまかり通っております。
例えば、"デーラーさんへのわが社の製品売込みの説明会あなたならどうする"というテーマで営業さんに、ロールプレイィングをさせてみると、売りたい製品の仕様について長々とやってくれます。商品の仕様さえわかれば、デーラーさんはどんどん売ってくれると思っているらしい。大きな間違いですね。落第です。
デーラーさんの知りたいのは、この商品を売って、自社ないし自分にどのようなメリットが生まれ、同じく、肝心のユーザーさんのメリットは何かということですね。これをまず語るべきです。
かく申す、私が現役のごろ、このような仕様説明を行なって見事、安らかな、お昼寝タイムを演出してしまいました。終わってみた感想では、誰も説明したことについて、何も記憶していないのではないかということ。それより何より、以後、何日たっても、一切、商談など来なかったことが良い証明となっております。その状態は今も続いております!!しかしこれは、相手のデーラーさんに販売力なくて結果がでないのであって、私は、会社の指示にしたがって、職務を忠実に果たしたのだということになりそうです。
しかし、実際には、まず、どのようなお客様に、どの商品を使っていただいた結果、どのようなメリット、ないし効果が現れたということから始めるべきです。


そういう説明して、再度、説明会のロープレをさせました。今度は、その営業マンが最近、ユーザーにお売りした事例でのメリットを話しだしました。ある大型スーパーさんへ、簡易型、トラックスケール"ロードメーター"を売り込みました。商品名をジャンボといいます。その用途は、毎日出てくる、いろいろなごみの処理を、廃棄物処理業者さんに依頼して引き取ってもらっている。業者さんは、引き取るごとに、そのごみの重量をどこかではかり、一定の料金を計算して請求してきます。しかし、担当者にしてみると、どうも、実態に比べて請求してくる量と金額がが多すぎるなという疑念が生じておりました。そこで、わが社のホームページを見て簡易型トラックスケール、ジャンボの存在を知り、自社ではかろうということになり、買い入れていただきました。それで面倒でも引取りにくる度ごとに、計量することにしました。なぜお客さんが買ったのかということは、購入当時、お客さんも理由は言わなかったのですが、その営業マンが、納入後、3ヵ月あとに、そのご、どうですかということでアフターケア訪問いたしましたところ、担当者の方が言われることには、"おかげで、来月から、ごみの引き取り料が月当たり、50万円カットされることになったよ!"とのことでした。製品価格は150万円でした。3ヶ月で元が取れますね!
こんな凄い情報を持っていながら営業マンは、売り込みの説明会に、製品の仕様を長々とやってしまうのです。


35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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