秤屋会長のひと言

和の精神


日本文化の象徴としての"和"の精神について、情緒的な啓蒙思想として受け入れ易いものがあります。しかしこれが世界に通用するかというと、とてもとてもと頭を振らざるを得ません。



あるとき、アメリカに取引先があり、その招待を受けて北米の、シアトルまで参りました。そのとき、同業で、同じシアトルに事務所を持つ会社の製品にも興味があり、招待先に、気軽にその会社の様子を聞き、できれば紹介してもらおうと思っておりました。製品も招待先の商品とは競合しないものであります。そこで、担当の営業役員に問いかけましたが、確かにそういう会社はあるがよくは知らないといいます。われわれ日本では、一定地域の同業者は行政単位別において、組合のような組織を持ち、定例的な会合を持ち、情報交換し、食事をしたりして、親密なお付き合いをしているというような説明をしました。そうしましたら、不思議そうな顔で、ライバル関係にある、同業者が集まって、食事して、どこが楽しいのか、理解できないといいます。アメリカにはそういった組織はないといいます。いや日本では同業者も、社長同士が一緒に旅行したりもするのだといったら、それこそお手上げといった感じで、同じ市内にいながら、実は社長の名前も良く知らないとまで言います。そこで、話は終わってしまいました。紹介してくれなどといっても無駄なことと思い知りました。



ライバルは敵、ライバル同士が助け合うなんて思想は全くないのです。ここでも日本の常識は世界の非常識のようであります。



われわれの業界では、私の知る限り、談合等の排他的独占はありませんがご存知のように、業界によっては"和"の精神の悪用がはびこり、談合経済が日本を蝕みつつあります。ここでも、悪しき"和"をぶっ壊す精神の小泉さんにエールを送りたい。




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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