子供手当てについて
民主党政権になってからというもの、ダムと空港と子供手当ての論議が同列になってやかましく論じられております。もちろん年金問題が別格として当面、最大の焦点ということになるのでしょうが、やはり私としてはもちろん、後期高齢者として年金問題に関心があります。
しかし、遠い将来を考えれば、つぎの時代の日本を背負って立つ世代のことが気にかかります。前に『太宰治と超大国の没落』というテーマで書かせていただきましたが、子供の出生率はもちろん、生まれ出た子供の死亡率問題が超大国の存立すら脅かす重大問題となっております。幼児死亡率の高さから、大国没落を予言したフランスの人口問題学者の、エマニェルトッド氏の記事が、つい最近、日経新聞に掲載されておりましたが、やはり日本の最大の問題点は人口減少にあるという。恐らく日本は10年を経ず、外国からの移民を大幅に考えなくては社会のインフラを維持できなくなるだろうと予言。日本創世以来2000年間、単一民族で過ごしてきた我々にとってほとんど移民受け入れに関するノウハウを全く持っていない。大変困ったことであります。というところからすると、上記のダムだとか空港だとか赤字財政問題などなんでもないことで、出生率向上、乳児死亡率の軽減に直接影響を与える子供手当の支給こそ日本国最大の政治課題であるということを痛感いたします。民主党の担当大臣が一生懸命に予算捻出に奔走するさまには頭が下がります。自民党の冷淡な取り組みに比べたら格段の差です。『コンクリートより人へ』であります。まさにバイブルにいわく『生めよ殖やせよ野に満てよ』であります。子育ての大切さを小説でうつたえた、太宰治も合点!合点!と頷いているのではないでしょうか。