秤屋会長のひと言

尖閣諸島問題について


中国がここまでやるかというなりふりかまわぬ強烈なアピールには驚きます。とにかく問答無用、尖閣諸島は中国固有の領土、なにをしようがこちらの勝手、日本が中国人民を不当に逮捕監禁取調べなどもってのほかと主張。主張の根拠である中国領であるという前提、証拠の提示もなく、ただひたすらに中国領と言い張る。これで問題が済むのなら国際秩序は崩壊します。昔なら、行き着くところは、戦争しかないわけです。そこで強食弱肉の地獄が始るわけです。受けて立つ日本としては、日本の固有領土という根拠がはっきりしている以上、これは自衛の戦争であるから憲法違反にもならない。そのためにも自衛隊がいるではないかということになります。しかし相手は核保有国です。しかも運搬手段も確立している相手で、中国軍首脳は、日本列島などたてに数発核爆弾をお見舞い申せば、原始時代に逆戻りとなるだけと言い放っているようで、戦争にもならない。日本は核アレルギーで1発の核爆弾をもっていない。結果は御存知の通り意味不明の理由で、日本艦艇に体当たりしてきた船長は釈放。船長は英雄気取りで何度もVサイン。中国政府は引取りに特別チャーター機を派遣ときました。もうこれは漫画ですね。良くやってくれるはであります。



しかしここでむしろ私は中国の強硬姿勢に感謝をせねばならないと感じます。ここまであからさまに、日本の世界における立場というか、日本が置かれている立場がどういうところにあるかということを、また日頃気がついていない問題点を鮮明に遠慮なくあぶりだしてくれたのです。これはむしろ親切かもしれません。隣国のよしみとでも言いましょうか。



なぜなら、日本単独では何もできない、日米安保の重要性が、これまでの民主党の対米姿勢では考えられないほど、重要だということを痛いほどわからしてくれました。クリントン国務長官が、尖閣諸島は日米安保の枠内にあるという宣言をだしてくれました。新聞記事ではどこかの片隅に報道されているだけでしたがこれほど大事で注目すべき報道はないのに一面には出ていないのです。尖閣諸島は実は前のアメリカの政権では安保に含まれていなかったのです。今回はじめてコミットメントがなされたのです。これで一応日本への核攻撃はなくなりました?かって中国へ小沢元民主党幹事長は150名のミッションを派遣して中国政権に寄り添って嬉々としておりましたが、今回の騒動について見解をお聞きいたしたいと思います。もちろん鳩山元首相にもですが、とにかく中国がこのような様子では再び、安保の連帯は強化せざるを得ません。沖縄問題もなにがなんでも解決せざるを得ませんね。それともう一つ、レアアース問題です。ハイテクレベルの日本の技術はこれがなくては成り立ちません。これも痛いところ衝かれました。すでにレアース大国の中国は資源枯渇を理由に輸出を止めようとしている矢先のこの騒動で待ってましたとばかり、禁輸措置をとりました。日本は大慌てです。これも日本の無資源国の哀しさを浮き彫りにしてくれました。この点も中国に感謝しなければなりません。日本は挙国一致でレアアースを使わない方策を採るか他の資源国にリスクを分散させる必要が緊急にあるということです。



まだ食糧問題もあります。中国よりの野菜穀物など大量に輸入しているはずです。これは、レアアースどころではない怖さがあります。まあとにかくグローバリズムとかいってみすごされていたあれこれ問題点が一気に噴出してきました。まだ新しく菅政権は発足したばかり、どう裁くのか国民は必死の思いで見ています。



日本はともかく中国の挑発には乗らず、むしろ感謝のおもいで、粛々と自立できる国家安全体制に持っていくことが肝要と考えます。



それにしても中国はアングロサクソン系の思考回路とは対極的な存在であるなと痛感いたします。後者は欲しいものがあればこんな騒ぎは絶対に起こしません。ひそかに罠を仕掛けて辛抱強く待ちます。そして打って出た時はいっきにものにします。




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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