秤屋会長のひと言

サルの惑星


5月21日6:58、種子島宇宙センターから、金星に向けて、探査衛星が成功裡に打ち上げられました。これはこれで日本もなかなかやるわいという日本人としての誇りに思えて、何かと他国に遅れをとりつつある国勢のなかでの快挙と受け止めております。



ただこの打ち上げは、探査衛星を送るだけというほかにすばらしいミッションがさりげなく添えられている点に注目がそそがれます。打ち上げ後中部太平洋、400km上空で、25分経過後に、ロケット推進部が切り離され、搭載されている実験機器が軌道上に無事展開したという報告がなされセンターは拍手の渦に巻かれ興奮は多いに盛り上がりました。



さてなにに注目したかであります。聞きなれない用語ですが、光子ロケット"イカロス"なるものの実験に世界に先駆けて着手したということです。このロケットは,太陽からくる光のかすかな圧力をさながら帆船のように、帆で受けて、その圧力だけで航行していくという。他に動力装置なしで宇宙空間を航行できるというとほうもない構想のロケットです。それが始めて日本の技術で放たれたのです。日本は軍事技術では1歩も2歩も他国に遅れておりますが、こういう夢とロマンのある開発に特化して人類に貢献できることは大変に喜ばしいと思えます。この技術を突き詰めれば、宇宙空間では燃料を必要としない宇宙船が実現する可能性を示唆するものです。マアいまの段階では大きな風呂敷を立ててさながら大海原を帆船のように航行していくといったところです。しかし、これは皆さんご記憶でしょうか?20年近く前になりますか、アメリカ映画で、大ヒットした『サルの惑星』というSFもの。その映画では触れられておりませんが、原本では光子ロケットによる宇宙空間の航行を描いておりました。この原本でそういうこともできるのかと感銘いたしておりましたが、あくまでも、SFの世界の空想ごとと読み過ごしておりました。それがいま、空想ごとではなく、実現の第1歩を日本の技術がアップデートしたのです。想像してみてください。太陽系内に無数の大小さまざまな光子ロケットが、遊弋し、人類がこの狭い地球から解き放たれて自由に太陽系内を飛びまわっている光景を!!そしてその第1号が日本人によって作られたという科学史上のモニュメントとなった打ち上げなのです。




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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