秤屋会長のひと言

ウィンクあいち40周年記念講演会

記念講演会“これからの中小企業の生き残り策”


上記のテーマでの講演会が12月2日愛知県産業労働センター40周年記念にて行われました。講師は中村智彦教授(神戸国際大学)


 すべてをご紹介はできないのですが私なりに重要なことを取り上げたいと考えます。またニュースの表面には出ない裏事情みたいなもので興味を引く発言もありました。講師としては講演内容をそのまま転記しないでほしいという珍しい注文がついていてためらいもあるのですが、講演会で聞いたことを他に漏らしてはならないという法律はないと思われますのであえて書かせてもらいます。


1、        ギリシャの破綻について、公務員の数の多さと同時に高給すぎるということが取りざたされているが、一般労働者の給与が大幅に切り下げられ、公務員の方はそのままで維持されていたため、高給感が出てきていることらしい。ギリシャも日本と同じく製造業が国際競争に敗れ、空洞化が進み失業が増え、税収も落ち込み、たよりは観光産業だけとなり、観光産業がGDPに占める割合は40%に達するようになってしまった。税収が減り、医療、福祉などに充てる資金がなくなり、やむを得ず、国民の生活水準を守るため、外国から資金を国債発行という方式で取り入れ国家財政の赤字を補てんするという禁じ手に流れたわけです。貸す方は、ユーロの優越性を信じまた高利にもつられてどんどん貸し込んでいったという。それが積もり積もって返還時期が来ても償還金が調達できるめどが立たないというところに追い込まれてしまった。前政権はそれがばれることが怖く、国の財政を粉飾していたという。個人や企業でならよくあることなんですが、国家規模で世界を欺くなど途方もないことが起きてしまったわけです。講師はここで、日本も空洞化がこのまま進み国内の資金を食いつぶしたあと、外国に助けを求め、借金を重ねざるを得なくなるとしたら、いずれは、日本も観光産業だけでやっていけるかということにぶつかることになります。


2、        その後ギリシャに引き続き、イタリア、スペイン、ベルギーと同じような状況の国が続出するに及んでは、リーマンショックを上回る規模と深刻さで世界経済はどう持ちこたえていくのか重い課題を抱え込むことになります。国債の償還金が払えないとなるとまず破綻するのはその国債を保有する銀行ということになります。そしてその銀行の救済策として途方もない金額を積み立て始めて、パニックの食い止めに必死の様子であります。欧州10数か国中頼るはドイツのみという惨状。はたしてドイツは他国を助けられるかということより、ドイツ国民が他国の怠慢と奢侈の末の付けを負担しなければならないのかという不条理に納得がいかない様子。これごもっともな話であります。ただ一説によると、当初ドイツそのものはこのヨーロッパ統合に多大な期待を持っていたという。先の2次にわたる大戦でドイツは欧州の統一と盟主になることを目論んだが2度ともに、アメリカの参戦によって阻まれた。当然ながら何の収穫ももたらさない戦争の惨禍を身に染みて知った。もう2度とこのような失敗はしたくないということで、欧州の平和的な融合に熱心に取り組んだ。それがユーロの誕生に結び付いたわけです。そして現状はというと、つくづくドイツさんもいやになっているのではないか?ドイツの野心については講師は全く関係ありません。私の脱線です。とにかくちょっとやそっとのことで欧州の経済の立ち直りは期待できそうもないということです。


3、        昨日(12・18)の日経新聞によると、今回の危機に関して、外貨の蓄積の厚い中国・日本なども救援に一役かい、つなぎ資金を提供するということになっていますが、中国の温家宝首相が、先ほどギリシャを訪問してびっくりしたことがあるという記事です。“欧州人は働かない”ということの現場を見てしまったということです。町の目抜き通りの商店街など午後にもなると店を閉めてしまっているという。これを見て温家宝首相も考えを変えたと。こんな怠惰な国民を救済する金はないということです。つまり融資はしないという方向に舵を切りそうです。日本も困ったことになるのではないでしょうか。


テーマに戻りますと、このような状況下での“中小企業の生き残り策”

下記の7項目の実践が必要ということ。座して無策は滅びの道。

1.   産官学連携強化による研究開発の強化。それに乗れるかどうか?

2.  量産化とそれを実現させる設備投資。1と関連する。

3.  大手企業との取引

4. 1社専属ではなく複数顧客との取り引き関係の構築。

5. 海外市場の取り組みの強化。

6.  海外生産拠点と国内生産拠点の有効な役割分担の構築

7.  他社との連携・共同の推進


これをお読みになった方はどうぞ参考までに自社の取り組みを照合させてみてください。7つ全部できて100点。この中に流れる思想はやはり『連携共同』の理念です。つまりあいち産業振興機構が推奨する施策であります。


以上


35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

カテゴリー