秤屋会長のひと言

原発政策に思う


猛暑を予感させる最近の気温。日本は原発忌避による電力不足に落ち込んできた。人間でいうなら、貧血状態に落ち込んできているということである。背に腹は代えられぬという言葉ももう原発では通用しない。日本人はことが起きた場合一斉に同方向にシフトするという悪い癖がある。いい場面では、高度成長を演出するが、第2次大戦での経験通り、いったん傾きかかるとそれを平衡させる復元力に欠けるので、止めようもなく悪いとわかっていてものめり込んでいく。そしてあえなく転覆。その結果は後でなんであんなことをしてしまったのかと後悔するのが常である。今回のあまりにもひどい福島原発の現状に、日本国民は、再起不能ぐらいの原発忌避症に冒されてしまっている。またかといいたい。すべての原発を停止に持って行けという極論が堂々と論議されている。そして、今年の夏は熱中症で、何万人と命を失うという結果にならないか?



冷静に考えるべき時が来ていると腰を据える時ではないか。原発は必要である。ただし、他に代行できるエネルギーが十分に整うまでは今回の教訓を120%活かして対策を打ち、これ以上の安全策は考えれないというところまでいけば、使えばよいと思う。現在、こういう主張はマスコミではタブー視されている。例のとおりの偏向ぶりである。



諸外国では、日本の惨状を注視しつつも、決して原発廃止はないと割り切っている。現に、ベトナムは日本に原発を2機発注する方針を変えていない、トルコも同じである。トルコの場合は同じ地震国ということで、日本の改良技術を大いに期待しているという。確かにドイツは原発廃止を決めたがずるい決定である。原発大国フランスから不足の電気を買うといっている。共犯である。よりたちが悪い。危険なことは他国に任せて一人だけいい子になろうとしている。ドイツに対する尊敬心を失う思いである。とにかく世界は今CO2排出を大々的に抑えようとしているとき、どのようにして電力を生み出そうとしているのであろうか?アメリカもオバマ大統領は、原発によるCO2排出制限を公約に大統領選を戦ってきている。やめるとは口が裂けても言えません。



また日本独特かもしれないが、電力会社は、独占企業で外部からの干渉は無視できる体質になっている。そのため、公開されたら呆れた非常識運営が暴露され、事実を初めて知った国民はショックを起こしているぐらいだ。だからと言って、株式会社制度がよいとは言えない(アメリカが民営化の結果利益優先となって有効な設備投資を怠って大停電事故を起こした)らしいが、ここでの最重要事項は有効な監視装置の設置に尽きると思う。現在の経産省の監視機関はナンセンスである。天下りの機関で、腰掛意識で高級官僚が短期間の稼ぎを得るところにすぎない。短期間で最高責任者次々と変わるということではいいわけがない。やはりここは国際機関IAEAの権限を大幅に強化して,単に間接的な監視だけではなく、ここの許可がない限り原発の建設は許可されないという仕組みを作る必要がある。もちろん原発の立地に関してはそれぞれの国の事情に左右されるが最後の関門としてIAEAが立ちはだかるという図式があってほしい。また使用期限を超えてなお使用とする場合も厳格な査定を行う。今回の福島の事故も相当老朽化していたことも一つの原因となっているのではないか?技術は時と共に進化していくものなのである。




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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