秤屋会長のひと言

アテネ女神とはかり

今ギリシャは国の存亡をかけて自らの財政危機と闘っております。ユーロの存立をかけてその行方はいま世界の注目の的になっております。そのギリシャが産んだ神話に登場する女神は戦いの女神なのですが、なぜか“はかり”を高く掲げてオリンパス山より人間界を支配しております。つまり“はかり”こそは正義をただす神様のいわゆる神器なのだということになります。わが社はその神器を作って350年以上の経歴を有しております。たいへん恐れ入る仕儀で御座います。
最近、営業部員の報告書の中におもしろい例を見つけましたのでご披露いたします。
この営業マンは、ある大手のスーパーさんから呼ばれて商談に参りました。お客様は曰く、生ごみ等の廃棄物を業者に引き取らせているのだが、どうも相手の言ってくる引取り重量が実際のものよりかなり多めに出してきている。しかしこちらには“はかり”がないので、言うままになって支払っているが何か確かめる良い方法はないかとおっしゃる。引取りには業者はトラックを使っているという。それではトラックスケールを据えつけたらどうか提案いたしましたが、そんな大きな設備をこのためには入れられないとのこと。それではということで、警察などが過積載取り締まりに使っている、携帯型のトラックスケール、“ロードメーター”はいかがかと提案いたしました。これなら必要な時にだけ持ち出してトラックをまるごとはかれますというということになり、お客様も納得。
そして納入し取扱い方法もお伝えしこの商談はめでたく成就。しかしこの担当の営業マンは3か月後に、再訪いたしました。その間何の連絡もないということも在って心配しながらの訪問でした。ところが、お客様は満面の笑顔で出迎えてくれて、“ありがとう”の連発。どうしたんですかと伺いますと、なんと、このはかりを使って計量して正確な重量がわかり、当時1か月50万円ぐらい支払っていたのが今では、15万円ぐらいに減ってしまったよとのこと。営業マンは驚きました、120万円ぐらいでの売値でしたが、この分では3か月少々で償却ではないか!こういう具体例を聞くのは珍しいのですが、本人も喜びのおすそ分けにあずかり意気揚々のありさまでした。日頃なにげなしに作っている計量器が具体的に社会貢献している実感。メーカーとしての冥利に尽きますね。またこの場合際立ったことは単なるコストダウンメリットの一例ではなく、はかりが公器として社会正義を保証するものであるということではないでしょうか?正義の女神アテネよ永遠なれ!




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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