秤屋会長のひと言

映画鑑賞会

会社の研修プランとして、映画も有力な教材というところで、前回は2月に『はやぶさ』遥かなる帰還―を社員の皆さんに鑑賞してもらいました。そして今回2回目として、「天地明察」を取り上げました。10月5日に社員を総動員して鑑賞いたしました。この映画只者ではない。この映画を見た人と見ていない人とは画然と文化的、知的レベルに格差がつくものである。ぜひ見てもらいたいと思い設定いたしましたが、その甲斐がありました。前回鑑賞した「はやぶさ」が現代最先端の宇宙工学を駆使したプロジェクトを描いた映画でしたが、同じ宇宙でも天体観測から暦の誤差を修正するというこれまた当時では途方もない巨大なプロジェクトを描いたという点では相共通するところがあり興味をそそられました。しかもどちらも挫折に次ぐ挫折、挙句の果て絶望状態から抜け出せないのではというところまで追いつめられて、起死回生するなど、映画の題材としては申し分ないところでした。


 350年前の日本の状況は、すでに3代徳川家光公の時代より鎖国状態にあり、外国からの情報は皆無であったであろうことは想像に難くはないのですが、ただ、オランダとの交流はあったはずです。問い合わせくらい入れてもよさそうなものですが、それがこの映画では全く触れられておりません。すでにこの時代ヨーロッパは、大航海時代を迎え、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダは先を争って植民地獲得競争下にあり、世界の海を駆け巡っております。そこに航海術としても相当進歩した天体観測術が駆使されていたと思われます。フエルメールの『地理学者の肖像』にあるごとく、天文学者もコペルニクス、ガレリオなどの天才がルネッサンスを機に多数輩出していることは間違いない。どうして幕府はそのあたりの采配を振らなかったのか映画を見ながら不審に思いました。ただこの映画の重要人物として、関孝和が登場いたしておりますが、この人物は日本の科学史上の偉人で、イギリスのアイザックニュートン卿の同時代に相前後して活躍した人物です。この人は「和算」を創始した人物で、数学を日本で初めて体系化して、驚くなかれ、師匠もなく、単独で、幾何学はもとより代数学まできわめ、ついには、ニュートンの歴史的発見といわれる、微分、積分、行列式の数学原理を発見しているという。またその人物が寺子屋で女子も含めた街中の庶子を集めて数学を教えていたという。同時代にしては、日本の教育レベルが途方もない高い水準にあったという事実に突き当たります。現在同じ東洋の国の中で日本が、科学技術のノーベル賞の獲得数が群を抜いている事実はこの時代からの蓄積によるものでることは間違いない。映画を見ながらこのような感慨にふけることができました。『映画っていいですね!!』 社員の皆さんからも感想文をいただき、ホームページに掲載させていただきました。それぞれの個性をうかがわせた内容で、共感をともにできたことはチームとしての守隨をより飛躍させることになるのではないかと期待いたしております。




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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