秤屋会長のひと言

社外研修 トヨタ産業技術記念館

4月18日、社内総会恒例の研修会を行いました。
行先はトヨタグループが設置したトヨタ産業技術記念館。名古屋駅近く(2キロm)の立地に恵まれたロケーションにあります。
この技術館は、豊田自動織機会社の創立者、豊田佐吉翁の創業地で、明治時代から大正期にかけて、世界に例のない高性能の自動織機を次々と開発。世界の産業界をあっと言わせた業績を上げられた本拠地であります。今回は時間の関係で繊維機械館と特別展示の「暮らしを支えたはかる道具たち」を見学しました。

19世紀、産業革命を世界に先駆けて起こしたイギリスが全盛を極めておりました。植民地に低廉で良質な綿花を豊富に産出するインドを持つイギリスは世界の綿糸、綿布の巨大な産地となっておりました。イギリス、ランカシャー地方がその中心になっておりました。イギリスはこの紡績業で世界の覇者となっていたわけです。そこへ、なんとイギリスから見れば東の果ての果て、これを極東といいますが、未開の土地?日本にとてつもない高性能の自動織機が誕生、特許を取得し、イギリス上陸を狙っているという、まことにイギリスにとっては迷惑な発明が出現したわけです。


これに驚いたイギリスの織機メーカーは、その特許を買い取りました。巨額な特許料が佐吉翁のふところにはいったわけです。明治のころの100万円というのは現在評価でどれぐらいになるのかわかりませんが、国家予算の何分の一といわれる豊富資金が、現在のトヨタ自動車の土台を築き上げましたことは紛れもない事実です。もしこの自動織機が発明されていなかったら、現在のトヨタ自動車はこの世に存在いたしておりません。これを敷衍してみますと現在の経済大国日本を築き上げた一角にこの佐吉翁の巨大な貢献があったればこそということになります。日本資本主義の聖地がこの名古屋に厳然と存在しておるわけです。産業人は心から佐吉翁に敬意と尊敬の念を持って、一度はこの地を訪れるべきであります。


9時半より開館いたしますが、我々が到着いたしますと同時に観光バス数台が待っていたかのように到着し、どやどやと降り立ち入館いたしておりました。国籍は中国・アジア系をはじめとして欧米系と、日本のどこかの企業の若い研修生たちと多彩でした。今回わが社がこの研修を行ったのは、もちろん豊田佐吉翁の業績を偲ぶだけのためではなく、併設されていた「暮らしを支えたはかる道具たち」というテーマで、江戸時代からのはかり、ます、長さ計の展示の見学が主眼でありました。しかし自動織機の圧倒的な数と、懇切丁寧な説明に時間を取られて、後の予定もあり、こちらの方はほんの10数分の見学に終わりました。残念でした。わがご先祖様が作ってくださった数々のはかりに挨拶だけに終わりました。


35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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