スリーハンドレッド 1
紀元前5世紀のころ、ギリシャはペロポネソス半島全域に広がる共和国でありました。ただ現代でいう共和制ではなく、各地区の有力部族がそれぞれ、城塞都市を築き、自治政府を持ち、共存していたらしい。日本でいうなら、江戸時代の封建制は徳川家に仕切られていたのですが、ギリシャ都市国家(アクロポリス)群は、その統一政府を持ってはいなかった。つまり徳川家抜きの群雄割拠の封建国家群というところでしょうか。
その中で、アテネとスパルタの部族が抜きんでた存在でした。アテネは古代、先進的な操船技術を持ち、それを支える造船技術も当時の世界水準をはるかに抜いていたといいます。ということは、無敵な海軍国だったらしい。かたや、スパルタは現代までその名を残す、スパルタ教育。男子は5歳にして親もとから引き離されて軍隊に入れられ、徹底した訓練を施され、弱者は抹殺された?そのスパルタはアテネと異なり、農耕を主体とした陸軍国で徹底した強兵策で、国民皆兵を貫き、近隣ににらみを利かしていたというすみわけで存立していました。
当時の日本は弥生時代?まだ農耕がはじまったばかりの頃です。明日は明日の風が吹く狩猟採取でその日暮らし。それはさておき、この10数のアクロポリスがギリシャ全域にわたり分布し、海軍国であるアテネは、後にイタリアとなる半島の東西の要所要所に植民地を作り平和裏に通商国家として存在しており、地中海全域にも勢力を広げつつありました。
さてスリーハンドレッドとはどういう関係があるのかということになります。これはハリウッド映画の題名です。これと古代ギリシャとどういう関係かということです。これがなかなか意味深で、ズバリ主題を衝いている点で、素晴らしいキャッチコピーとなっております。
当時、東方には、メソポタミアの肥沃な三日月地帯(現在のイラン、イラク、シリアなど)に、途方もない大帝国ペルシアが存在しておりました。もちろん農業国家でしたが肥沃なという表現通り、莫大な生産力を持つ超大国。経済力はすなわち軍事能力ということになります。クセルクセス大王からの使者がスパルタの王宮をおとづれるところから物語は始まります。
スリーハンドレッド2に続く
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