秤屋会長のひと言

背負うた子に瀬を教えられる・・・磨かれざる宝石群

最近、求人対象に新卒者を求めました。


これまでは中途入社オンリーでしたが、たまたま斡旋会社からDMで案内が来て、その気になり若手の紹介をしてもらうことになりました。我が社の場合は、営業に若いメンバーがいない。即戦力主義でせいぜい30台半ばぐらいが我が社では若手となっております。


今回の紹介では22歳から27歳ぐらいの若手で、看板に偽り無し。
しかも紹介するまでに斡旋会社は独特の事前教習を行い希望職種の適応性を確かめてからの推薦です。営業希望者の場合は、書物の売り込みを無差別に100件飛び込み販売をすると言った実践も経験してきている。また飲食関係、ファミレス、ラーメンチェーンとかで、学生アルバイト程度の仕事位は経験している人が多い。自己の業務歴を書くのに四苦八苦している様子がみてとれます。さまよえる世代という感想をもちつつあまり期待せず面接を始めました。


しかし応募者たちに面接してみると、懸念が吹っ飛ぶほど本当に明るく初々しく、頼もしい。これまで数人の応募者に面接いたしましたが、エーイ全員採用と言いたくなるぐらいのものです。その中で印象に残った1人の応募者との会話をご披露いたします。


定型の面接、質疑応答を終わり、席を立つ寸前に、応募者から社長の私に思いがけない質問がきました。3人で面接しているのですが、私に向かっての質問でした。


応募者  「御社でのトップセールスとはどういう人なのでしょうか?」


とっさに回答が出なかった社長(私)。それでも1~2秒の時間差で


社長(私) 「それは社内で一番売り上げを上げている人のことを言いますね」
応募者  「ではそういう人はどうしてそのような成績が挙げられるのでしょうか?」


思いつめた真剣な表情で畳み掛けてくるこの若者は、長い経験を持つ先輩に強く期待している様子が伺われました。ここで社長(私)も「真剣になざるをえないな。」と悟りました。


社長(私) 「誰よりもたくさんの顧客を獲得し支持を得てるからでしようね」
応募者   「なるほど。そういう訳ですね!ではお客様の支持を得られるにはどうしたら良いですか」


内心「切りがないな。」と思いましたが、これから社会に出ようとしている若者の前途のために僭越ながら、申し上げざるを得ないと思いました。


社長(私)


「それはそれぞれのお客にどこまで自己犠牲が払えるかでしょう。顧客第一などと言いながら、お客に尽くしていない営業マンは、簡単に見抜かれ、見放されます。これが私の業務歴50年の結論です。」


応募者
「ありがとうございました。よくわかりました。」立ち上がりかけていた若者は突然その場に膝まずき、私に向かって丁寧に頭を下げたのです。


素晴らしい美貌の若者でした。 私自身これまでこのような質問に遭遇したことがなかった為、とっさには出なかったのですが、やはり日頃思っていて漠然としていた概念がこの若者のおかげではっきりと見えて来ました。


35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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