秤屋会長のひと言

私と易.5

さらに、易のもうひとつの特色としては、自発的に予言が降りてくるということはありません。超能力者の場合は何かの折に突然神託が降りてきます。受ける側の事情は斟酌されません。出エジプトのモーゼが有名ですね。モーゼが神のお告げにより、エジプトでの奴隷的な境遇からユダヤの民を救いエジプトを抜け出すきっかけになりました。そして、ユダヤ民族の王国をパレスチナに樹立しました。これも突然エホバ神のお告げとしてモーゼに降臨したことによります。しかし易ではあくまでも受動的です。誰かが占わない限り、何も出てきません。易の方から自発的に働きかけることはありません。そこが同じ予言でも根本的に違うところです。いわば易占の結果は自己責任によるというところです。何かあっても、神様のせいにはできません。未熟な易占の結果大失敗など起こしてもそれは自己責任です。自分の未熟を反省すべきであります。自分で占う場合はもちろん、誰かに依頼した場合でも同じです。


 よく言われるように、「当たるも八卦当たらぬも八卦」とやや揶揄的に取り扱われるところは、やはり実力がないのに面白半分に卦を立てたりして易が示している真意を汲み取れず結論してしまうから当たらぬのです。やはり真剣に取り組むという姿勢がまず問われます。先にちょっと触れましたが、神社仏閣でのおみくじの類は面白半分のレジャーにすぎません。ただの遊びです。実にお遊びでの易占はご法度であります。私の経験でも真剣度が高いほど良い結果が出ております。易の神様は厳格です。つまらぬ占的でお伺いを立てたりわかりきったことを問うたりなどはなりません。


タブーとして最も重視されるのは、易占の結果が気に入らぬとかして同じことを何度も占うことです。また複数の人が同じ問題を同時に占わないということです。ともあれこのような易を貶めるような試みをしてはならないということです。そういう人は近寄らないということです。占者はこのことを十分意識しなければなりません。


また、占う的ですが、やはり受け身より、積極的な姿勢が大事ということです。これからどうなるのでしょうかといったようなアウトフオーカスな問いは、やはり漠然とした解答しかでてきません。自分はこうしたいのだがどうでしょうかと質問を突き詰めて問う必要があります。占者の上手下手は相手の意向をできる限り質問して明らかにしているかどうかによって決まります。


続く




35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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