秤屋会長のひと言

私と易21

世に言う、絶滅危惧種という分類、悲しいかな、易学を学ぶ者の世界にもこの強力な適者生存の法則は避け難く降りかかっております。戦後、当用漢字が文部省の指定により数千語に絞られそれ以外は事実上、日本の漢字用語教育から外されます。これが大変痛かったのが何を隠そう易学界であります。漢字の羅列でできている易経にとってこれは痛烈なパンチでありました。それではということで、易経を日本語文風に書き換えてみたところ、不思議なことに、漢字の持つ独特な不可思議な魔力がどこかへ飛んで行ってしまい、似て非なる誠に珍妙な文章が恥ずかしそうに並び、全くありがたみも、何もない。実に漢字というものは偉大な創造物です。一字が一つの意味だけを表しているわけではありません。何通りかの敷衍的な意味を含んでいるわけです。そこが易に奥行きと、次元の跳躍を与えている源泉なのです。


つまり今を去る30年ほど前に既にちまたに易者の姿がほとんど消えかかっておりました。さあ困りました。もともと易に頼るなどいっぱしのインテリを自負している手前、妙に気がひけるところに、どこに権威ある易者さんがいらっしゃるのか見当もつきません。あちらこちらと聞いて回りました。なかなかいません。さあどうするか?時間切れになってきましたところ、なんと家内の親戚に運命学に詳しいおばあさんがいるという。色々聞いてみると、結構、経歴も長く企業経営者も相談にやってきていると言う。しかも、リピーターも多くなかなか評判がいいということであります。何故もっと早く言わないのかとぼやきながら行くことになりました。灯台下暗しであります。

前提が長くなりましたが、おばあさんは、しばらく話を聞いて、占的を絞った後、型通りの経過を経て、結論、「残念ながら、あなたは深い霧の中に迷い込んでおり、手探りで進んでいる状況で大変危険な状態です。現在より5年間ほどは現在の計画に着手してはなりません。それが結論です。」全く迷いのない決然たる態度で言い切られました。フエー!であります。ほんとかいな、5年も伸ばせとはいったいどういうこと ?   (~_~;) 何かおいたして叱りつけられている坊やみたいな心境です。出た卦については教えてもらえなっかったというより聴く気力をなくしてしまいました。その時サービスで言われた言葉があります。50歳代の私に「あなたは82歳で転機を迎えます」と。もちろん0歳からスタートする、現在の年齢とは違い、生まれた時に1歳と数えますので、現在、私は易学上は82歳です。

 

今年その82歳になった私は8月、息子に社長職を譲り現在会長職に退いております。これは計画的にできることであり占いが当たったというわけではない。その通りです。しかし不思議なことに、前年より急激に体力が低下して日常業務がスムースに進めることができなくなってきておりました。まだ息子は44歳で経営責任者としては未熟であり、できるだけ長く現場の仕事を経験させた方が良い、その間は管理面は私がと考えておりましたが、突然やってきた私の体力、健康状態がそれを許しません。あの時の占的が私としては的中でしたと思わざるを得ません。ただあの時のお婆さんの素振りがそれだけではなかったような気がしたのは気のせいか?★どちらにせよ今年のうちに分かるということです。しかしこの件にとどまらず、易というものの存在は不可思議の一語に尽きます。ここでまたその神秘性に思い至ります。とんでもないバカをするところを救ってくれたという事実は大変に重いと痛感いたしております。

続く。

★その「転機を迎えます」という意味はと踏み込んだ時、何故か言葉を濁し明瞭には答えず、察しなさいというような素振りです。言いたくないということは、いやでも、あまり良いことが起きるわけではないのだなとわかります。その歳ぐらいなら、私の人生終わるということなのだろうと思い、確かに聞いて受け取る方は楽しいものではないので言ってくれなかったのだろうと判断してそれ以上は聞きませんでした。



35年生まれの戦前派。早稲田大学政経学部で経済学を専攻。

略歴
60年中日新聞社入社。
67年(株)守隨本社入社。三県下に限られていた販域を全国区へ展開
74年同社常務就任:機械式はかりから電子式はかりへの転換にいち早く取り組み、成功。新製品を次々と発表。次いで85年よりプラザ合意後の円高を利用し、海外との交流を開始。海外優秀製品を日本市場へインプットし、吊り秤市場ではTOPのシェアを掌握した。
90年同社社長就任
以後、移動式計量機で産業界の物流システムに貢献した。
2016年代表取締役会長に就任
2021年代表取締役会長を退任

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