「はかり」で変える物流効率~2024年問題・物流関連2法改正に向けた対策法とは?~
もくじ
1.物流の2024年問題と物流関連2法の影響
2.改善のカギを握る、荷物の「見える化」
3.計量タイミングとメリット
4.具体的な対策法-移動式はかりで実現する、安全で効率的な物流のカタチ-
5.まとめ
1.物流の2024年問題と物流関連2法の影響
2024年4月に施行された働き方改革関連法によって、トラックドライバーの年間時間外労働時間の規制により、物流現場では「2024年問題」と呼ばれる深刻な課題が浮き彫りに。
ドライバー不足の加速、輸送能力の低下、配送遅延、コスト増加など、物流業界全体に大きな影響が出始めています。
そして今年である2025年4月より、物流の2024年問題の具体的な対応を目的とした物流関連2法の改正(流通業務総合効率化法、貨物自動車運送事業法)が段階的に施行、物流効率化の努力義務が課されています。
また、以下のような一定規模以上の事業者は「特定事業者」に指定され、2026年4月より「中長期計画の策定」と「定期報告」と「物流統括管理者の選任」※の義務が発生します。
・年間9万トン以上の貨物を取り扱う荷主・連鎖化事業者
・保管量70万トン以上の倉庫業者
・保有車両150台以上の運送事業者
※物流統括管理者の選任は特定荷主・連鎖化事業者のみ
これにより、物流に関わるすべての事業者に対し、輸送の効率化・安全性向上を実現するための具体策の検討と実行が、いよいよ待ったなしで求められる状況となっています。
2. 改善のカギを握る、荷物の「見える化」
こうした法改正と制度変化の中で、改めて重要になるのが「計量(=はかる)」というプロセス。
物資の流通の効率化のためには正確な現状把握・重量管理が必須であり、物流の効率向上と安全性の両立に欠かせない要素です。
取扱貨物を計量によって可視化することで、物流効率を見直す様々なきっかけが見つかります。
・積載効率の最大化(輸送量の向上)
・過積載防止、積載バランスの最適化(事故リスクの低減)
・データ活用による改善提案の裏付け(中長期計画・報告に活用)
具体的な計量のタイミングは『荷物を【載せる前】』『荷物を【載せた後】』の2つに分けられます。
3.計量タイミングとメリット
荷物を【載せる前】
積込み前に計量を行えば、過積載防止はもちろんのこと、荷物の重量を事前に把握することで、積載効率の最大化を図ることが可能です。
国が掲げる輸送量向上施策の一環でもあり、特に積載率の向上と密接に関わっています。
なお、2020年時点での貨物自動車の平均積載率は40%弱にとどまり、効率化の余地が多く残されているのが実情です。
荷物を【載せた後】
トラック運行の安全性に直結する過積載防止のために、出発前に積載量をチェックすることができます。
荷物を【載せる前】&【載せた後】
積込み前後に計量を行うことで、積載バランスの確認が可能となります。荷重が偏ると運転操作に支障をきたし、事故のリスクが高まります。はかることで、積載効率の向上だけでなく、輸送時の安全確保にも役立ちます。
4.具体的な対策例-移動式はかりで実現する、安全で効率的な物流のカタチ-
なかでも 弊社が得意とする「移動式はかり」 は、“はかりを動かせる”ため、計量場所が広がる大きなメリットがあります。
任意の場所ではかれるため、従来の据置き型はかり使用時に発生する“荷物をはかりまで運ぶ工程”を短縮することができます。したがって、物流現場の荷役導線やレイアウトの見直し、一連の荷役・積込み作業時間の短縮を狙うことが可能です。
また、ハンドパレットスケール(はかり付きハンドパレット)をはじめとしたはかり付きマテハン機器を使えば、はかりまで運ぶ工程を全てカットできるほか、フォークリフトスケール(はかり付きフォークリフト)では計量工程をすべて機械化できるため、省人化とともに、更に効率的な荷役作業につながります。
移動式はかり 製品Pick UP
◆ポータブルはかり
①Uフレームスケール


使用イメージ

自重14kg~の持ち運べる台はかり。計量場所が広がります。
据置きの台はかりと比べて非常にコンパクトですが、~2,500kgまで計量できます。(スチールタイプのみ、他タイプ~2,000kgまで)
任意の場所で計量できるため、積込み前における重量チェックの導線の効率化に役立ちます。
使い方は簡単で、お手持ちの丈夫なパレットを天板代わりに、通常の台はかりとしてお使いいただけます。
もちろんT11型パレット対応サイズもご用意。
➁ポータブルトラックスケール

パッドを敷くだけで使える、ポータブルトラックスケール。
据置きのトラックスケールを設置する場所がない、計量場所を移動させたい場合に活躍します。
◆はかり付きマテハン機器
①ハンドパレットスケール

ハンドパレットにはかり機能がついた製品。
ツメに荷物を載せて計量、そのまま目的地まで搬送できるため、はかる作業をショーカット。
限られた敷地内での、より効率的な動線やレイアウトの見直しに繋がります。
➁フォークリフトスケール

はかり機能付きフォークリフト。
お手持ちのフォークリフトにはかりを付けることで、計量器付きフォークリフトとしてお使いいただける製品です。
最大のメリットは、フォークリフトで荷物を運ぶ動線内で計量ができること。
はかりに持っていく/載せ替えるなど、計量のためだけに行っていた作業を全てカット。大量の荷物を効率的に計量・目的地まで運ぶことができます。
◆データ管理ソフト

スマホ計量機 iCosmo
お手持ちのAndroid端末で重量確認ができるほか、他デバイス・PCでのデータ活用も便利になります。
5.まとめ
物流の2024年問題による構造的課題、そして2025年以降の物流関連2法施行による法的要請は、物流業界全体にこれまでにない変化をもたらし、多くの現場でその影響が現れ始めています。これまで通りのやり方では対応しきれない局面も増えており、今後はより柔軟で実効性のある対応が求められる考えられます。
そのなかで「はかり」は、作業の効率化や人手不足への対応、安全管理の強化など、さまざまな面で現場を支える役割を担っています。
また、計量データを記録・活用することで、作業内容や物流の流れをより正確に把握できるようになるといったメリットもあります。
荷役作業にも役立つ移動式はかりをはじめ、作業工程に組み込める計量器など、現場の課題に合わせた製品を活用することで、物流全体の改善につながります。
もし、現場でのはかりに関して気になることやご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
この記事が、現場の課題を見直すきっかけや、ちょっとしたヒントとしてお役に立てましたら嬉しく思います。
最後までお目通しいただき、ありがとうございました。